現代の日本では、仕事に関連する強いストレスを受け、体調を崩す方が増えています。どのようなストレスを受けるのかはその人の環境等によって異なりますが、多くは、社内や取引先との人間関係や業務量の多さが関係しています。日々の仕事で強いストレスを受け続けていると、そのうち体の不調を引き起こします。近年では、うつ病や自律神経失調症を発症する人が多いです。
このような病気は短期間での完治が難しく、欠勤や長期休養を余儀なくされることが多いです。このような状況に鑑みて、近年、厚生労働省の主導により、ストレスチェックという制度が導入されました。ストレスチェックとは、従業員が抱えるストレスの状態を事前に把握するための制度です。なお、従業員が一定以上の中規模以上の事業所に対して、このストレスチェックは義務づけられています。
ストレスチェックでは、従業員に対して、ストレスに関する設問が記載された質問表が配布されます。質問表の各々の設問に回答したら、その質問表は医療関係者によって回収されます。ここで、質問表の回答内容を事業者が事前に確認することはできません。こうすることで、従業員が事業者の意向に左右されずに、現在の自分の状況を反映した回答を行うことができます。
その後、質問表の回答内容に基づき、個々の従業員に対してストレス状態の診断が行われます。この診断において、大きなストレスを継続的に感じていると判定された人は要注意。速やかに医師との面談など、ストレスを軽減するためのアドバイスやサポートが行われます。